ゲストNO,
12735
<2005年11月11日更新>
更新内容
紅葉前線
鴨猟
****季節のご挨拶****
紅葉前線もいよいよ関東平野へ
今年は1週間ほど遅れているとか
先日、山梨県の西沢渓谷へ行ってきました。
素晴らしい紅葉でした。
平日だと言うのに駐車場は一杯、
遊歩道にも多くの人出が有りました。
それでも、遊歩道を少し外れたトロッコ軌道は大変静かで快適でした。
平日は何処へいっても、
大型カメラに三脚に望遠レンズを担いだ小父さん以上お爺さん未満が結構目立ちます。
団塊の世代が大量退職すると、、、、
陶芸、蕎麦打ち、写真、山歩き
昔はマイナーだったのに
せめて、定年後は人と違った人生をと思うのですが
人数が多いと何をやっても混んでくるのでしょうか?
* * *
宮内庁の新浜鴨場へ行ってきました
残念ながら、中は撮影禁止
大変簡素な施設でしたが
その仕組みには感心させられました。
場所は千葉県市川市の西南の外れ
JR京葉線「市川塩浜駅」、首都高速湾岸線「千鳥町」の北側
緑に囲われた場所にありました。
地図を拡大してみると
池の周りの怪しげなゲジゲジの足の様な水路
じつはこれが鴨猟の重要な施設なのです
一つの堀(水路)の平面図です
B-B 断面図
図の上側が大きな池で周囲を背の高い葦に覆われており
渡り鳥の安全な休息の場を演出しています。
ここには訓練されたおとりのアヒルが沢山飼われています
(A)は小さな覗き穴と餌やりのパイプの付いた「大覗(おおのぞき)」と呼ばれる小屋
「引掘」と呼ばれる水路の両側も背の高い葦の林
鍵の手に曲がった水路の奥は高い土手に囲われています
この土手の奥にも「小覗(このぞき)」と呼ばれる覗き穴があります
*
鴨猟の技法
「大覗」の小屋で食事の合図の板木を鳴らします
合図と共に餌が「1」の場所に撒かれます
一斉におとりのアヒルが「1」の場所に集まり
野生の鴨達もそれに釣られて集まります
更に水路の中の「2」の地点にも餌が撒かれます
アヒルも鴨も我先にと水路の中に入ります
更に土手に囲われた水路にも餌が撒かれ
鳥達は水路の奥まで入って餌を食べます
この様子は土手最奥に掘られたトンネルの「小覗」の小さな穴から見ることが出来ます。
土手があるので餌を撒く人の姿は見えません
鳥達は安心して餌を食べます
この作業は
風下側の全ての水路で
朝夕2回、毎日行われます
食べ終わった鳥達は水路を帰ってゆきます。
*
鴨猟の当日は様子が違います
*
その日も、いつもの様に餌を無心に食べている鳥達
突然、
網を持った招待された人達が土手両側へ飛び出します
この網は「叉手(さで)網」と呼ばれ、
竹と絹糸で編んだ網で作られています
あわてた鳥達は一斉に逃げ出します
飛べないアヒルは水面を逃げ回り
鴨は我先にと狭い水面から飛び立ちます
飛んだ鴨だけを傷付けずに
網で生け捕ります
利用されたり、騙され易い人を「カモ」と呼ぶ語源はこれでしょうか?
語源は定かではありません。
「サギ」がこうやって「カモ」を取っていれば分かりやすいのですが
そんな事実はありません。
以前はこの鴨を調理して食べたそうですが、
現在は合鴨が招待客に振舞われるそうです。
生け捕られた鴨は足環を付けて放鳥されます。