2008年メキシコの旅 8
2月18日 ヤシュチラン/ボナンパック遺跡 18595歩パレンケ泊


ヤシュチラン遺跡、ボナンパック遺跡は
グアテマラ国境沿いの遺跡
レンタカーでの直接入域は出来ないと言う話
言葉の通じない場所での冒険は避けようと
ホテルにツアーの手配を依頼した


朝6時、ホテルでピックアップの車に乗る
何軒かのホテルで大きな荷物を持ったメキシコ人を拾ってゆく
10人乗りなのに12人も乗せる始末
何処かで方面別の大型バスに乗り換えるのかと思っていたら
何のことは無い
グアテマラ国境行きのコレクティーボであった

途中でこんな小屋で朝食


国境越えの連中は税関らしき建物で降ろされ
更に進んだ道路の行き止まりの様な所で
運転手が降りろと言う仕草
更に近付いてきた別の男が付いて来いという仕草
他の車で来たツーリスト風の人達のグループに混ぜられた



行列に従って崖を下ると川があり舟がいる

その一艘にゾロゾロと乗り込む
グアテマラとの国境の川「ウスマシンタ川」である
国境越えもこの小船ですると言う


行きは流れを下るので1時間の船旅
唯一英語とスペイン語を話せるメキシコシティーから来たというメキシコ叔父さん
彼らのお蔭で 
その後 帰りの舟の乗り方など
大切な事が理解できるようになった
ありがとう!

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ヤシュチラン(Yaxchilan)遺跡

大きな地図はここをクリック

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ジャングルの中の道を進むと
向かいに大きな石垣

石垣を左に折れると小さな入口

中は真っ暗
懐中電灯を取り出し、中を探る
段差があり、幾つにも枝分かれしている
迷い込んでいる人の声がする

コウモリがぶる下がっている
一つの通路から外の光が見える

出口から振り返る
建造物19「迷宮」である

この建物の前に遺跡群に囲まれた大きな広場があった

*


広場を見下ろす高台に「建造物33」がある
磨り減り苔むした石段を休み休み登る

この遺跡には3つの入口がある
この入口の梁部分が剥き出しの「リンテル」


寝転がって天井を見上げる
緻密なデザインの世界


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ジャングルに覆われた山の中の遺跡である



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集合時間になり船着場に戻る
対岸はグアテマラである


グアテマラの集落らしく
川で洗濯をしたり遊んだり
「彼らの方が俺達より幸せだよ」とメキシコシティー爺さん
本当にそうかもしれない



幸せなそうな集落を過ぎ
暫くすると
舟がスピードダウンし
川岸に寄る

写真に触れると大きな写真が見られます



近付き過ぎたら大きなクロコダイルが威嚇された

クロコダイルはアリゲータより獰猛なんだって

思わず手を引っ込める


船着場に到着し
4人に減った同行者と昼食


*  *  *

再び
車に乗ってでボナンパックを目指す
やがて何台か車の止まっている広場に到着
車を降りると別のボロ車に乗れと言う
シティー爺さんによると
ある部族の支配というか保護地域で
彼らのガイド無しには入域出来ない仕組みとか
ボロ車で10分ほどで遺跡到着


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ボナンパック(Bonampak)遺跡


椰子の葉葺の小さなお土産屋台が並んでいた
その脇を抜け


セスナが放置された滑走路跡を横切り


神殿の階段右横に小屋掛けされているところがある
現地人数人がブラブラと番をしていた



この建物には3つの入口があり順番に覗く
部屋の大きさは3mx6m位
三角天井の一番高い所が6m位
全ての面が漆喰で覆われ絵が描かれている


出陣の間



戦闘と捕虜獲得の間



勝利祝賀の間


本物に感動
国立民族博物館のレプリカとは違う


漆喰に書かれた絵はむき出し
はっきり言って
湿気の多いこの地域での保存環境としては最悪
劣化が進んでいることは明らか
「保存」か「公開」か
いずれ近いうちに立入り出来なくなるでしょう






*  *  *

帰りはゆったり帰れるかと思ったら甘かった
しっかり英国人カップルらを新たに拾って満席に
今朝来た道をひたすら走る
走り始めて2時間あたりは真っ暗

その暗闇の先に何やらやたらに明るい場所がある
サーチライトに照らされ
両側を完全武装の7-8人の兵士に囲まれる
装甲車まで待機している軍の検問所
運転手が知り合いらしき兵士に遺跡帰りだと説明し無事通過
他の車は脇に寄せられ調べられている
さすがに写真は撮れませんでした


帰国してから知ったことだが
チアバス州のこの地域は1994年に先住民族や農民で組織され
武装蜂起した『サパティスタ民族解放軍』という
ゲリラ組織の勢力圏内とか

そんな所へ知らずにのこのこレンタカーで行かなくて良かった

外務省の メキシコ海外渡航安全情報にはこの遺跡方面の警告は無かったけれど


ホテルで飲んだセルベッサは旨かった!



2月19日 パレンケ遺跡→バラムク遺跡→チカンナ
続く



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