2010年トルコの旅 3





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9月2日キャラバンサライ キャフタ 泊




朝8時ホテルに迎えのバスがやって来て
街中の旅行業者のオフィスで降ろされ
ツアー参加の簡単な手続き

集まった同行者は
イタリア人カップル1組
オーストラリア夫婦2組
アメリカ人女性1人
我等日本人2人
合計混成9人に
ガイド&ドライバー

先ずはお互い自己紹介してツアースタート



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キャラバンサライ

初めに立ち寄ったのが

シルクロードの隊商宿だった「キャラバンサライ」

トルコに入域した際に税金を納めると
道中は

兵隊が賊から守ってくれて
更に宿は無料だったとか



門をくぐると高い塀に囲まれた中庭
らくだをこの中で休ませ
両脇の建物に荷物を置いたとか

「保険の始まり」と
ガイドは説明していたが
頭の良かった部族の「お守り料」って感じかな

奥は冬季の宿泊場所






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後はひたすら東に向けて走る

片側2車線の立派な道路なのだが
あちこちで工事をしている


何も両側いっぺんに舗装を剥がさなくても思うのだが、、、


車を止めて
道端の農園でぶどうを買ったりしたものの
100km近いスピードで走る

途中
キャフタの街のホテルに寄り
イタリア人カップルを拾い
総勢11+2人に



何でも
色々な旅行業者が集めた色々なツアー客を
このミニバンが集めて運んでいるそうだ
ガイドはひっきりなしに携帯で連絡を取っている




日も沈む頃
やっと目的地のネムルトダーが見えてきた

これから一時間後
ミニバンは
麓のホテルに着き夕食
明日3時45分集合を告げられ解散





9月3日ネムルト・ダウ、アルサメイア、 シャンルウルファ、 ハラン ウルファ 泊


ネムルト・ダウ



午前3時45分ドアのノックの音で起床
日の出前の山頂は寒いというので
冬用下着にシャツを重ね着、フリースの重装備

ホテル前に集合
満天の星空である
オーストラリアのオッサンは半ズボン!

バンに乗りネムルトの駐車場に到着
月明かりを頼りに登り始める
歩いていると暑くなる
30分ほどで東のテラス到着
既に10数人の先客が日の出を待っていた



闇の中からうっすらと見えてきた
風が出てきて寒くなり
脱いだフリースを再び着込み
ウインドヤッケも着る


東の空が明るくなってきた



東の空を向いて日の出を待つ



日の出

ユーフラテス河が浮かび上がって見えてきた






日が差し込むのを待つ




雲の上に日が昇り山頂を照らす








朝日を一杯に浴びて
何時までも静かに太陽に向かっている


ネムルト・ダウは
紀元前1世紀に造営された
コンマゲネ王国アンティオコスT世の墳墓
ネムルト山(標高2200m)の山頂に
円錐状に小石を積上げて築かれています

その東西の祭壇に
巨像群が建てられましたが
長い年月の間に頭部が転げ落ちた様です




小石の積まれた山裾を廻って西のテラスに向かう
小石が崩れ易いという構造の為
盗掘に遭っていないと言う





西を向いた西のテラスの像
夕方には日没を見守るのだろう





いつまでも西を見詰め日没を待つ




倒れた板碑




ネムルトダウの尖がった影



月明かりで登った道を 下る



ホテルに戻り
皆で朝食を取り、ツアー出発



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アルサメイア



コンマゲネ王朝の夏の離宮跡

王宮跡は廃墟っだたが
「ヘラクレスと王のレリーフ」やトンネルが残されていた


ガイド君の太鼓の舞





すれ違ったクルド人

写真撮影を極端に嫌うと言う事で
皆で「止まって!」と叫ぶが
ミニバンは素通り



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ジェンデレ橋





ローマ皇帝セプティミウスの為に2世紀ごろ作られた橋
柱の1本は兄弟げんかで撤去されたとか



日陰で死んだ様に寝ていた子犬




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カラクシュ遺跡


アンティオコス1世の家族の墓
円柱の上にワシ(カラクシュ)の像
遠くにネムルト・ダウの山頂を望む




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アタチュルク・ダム


ユーフラテス川をせき止めて作られたダム

国際河川だけに各国の利害が対立し
欧州の協力が得られず
トルコだけの資金、技術で作られたとか
決壊すれば大惨事と言うことで軍が管理している




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シャンルウルファ


シャンルウルファ城


シャンルウルファには
アブラハムの生誕地とされる洞窟があります
イスラムの泉のある聖地です

泉は
何とセンサー付きの自動水栓
そこからペットボトルに水を皆さん汲んでました
ちょっと風邪気味だったので
水を喉に塗ってみました



聖なる魚の池

アブラハムがネムルトの王に火あぶりにされそうになった時
神が火を水に、薪を魚にしたという伝説があるそうです

何とここで我が奥様
地元の青年達に一緒に写真に写って欲しいと頼まれ写真撮影
日本人がこんなに珍しがられたの初めてでした




シャンルウルファの市場へ



香辛料


乾燥野菜と生野菜


普段は活気のある市場だそうだが
ラマダン期間中という事で閑散としていた




鍛冶屋さん 面白そうなバイク





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ハラン

シャンルウルファの南
シリア国境近くの小さな村


紀元前2000年前頃からの都市の教会跡


周辺は大規模な発掘調査中でした




日干し煉瓦の家


内部



今でも本当に住んでいるのが判るでしょ

そして地平線は「シリア国境」

オーストラリア人が
「初めて国境を見た」と言い出した






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シャンルウルファの街に戻り
2組4人をバスターミナルで降ろす

我々だけ別のホテルへ

ガイドがフロントでチェックイン手続き
フロントは英語が通じないが
2食付、メインディッシュは選択
シェフは英語が喋れるので心配ないと言い残し
何かあったらここへと携帯の電話番号を渡された



ここがホテルのレストラン
200人は入れそうだが
午後8時なのに2人の客以外誰も居ない

見かねた客が奥へ声を掛けてくれて
ウエイターが手ぶらでやって来た

身振り手振り、ありったけの表現方法でメニューを要求
一言も発せず奥へ引っ込む

セキュリティーの服装の男がやって来て一言
「セットメニュー」

出てきたのがこれ

ヨーグルト
豆のスープ
ラップのままのパンケーキ
ラップのままのサラダ
ラップのままのフルーツ
ラップのままのケーキ
ミネラルウォーターボトル

ウエイターに両手を拡げて「メインディッシュ?」と聞く
再び一言も発せず奥へ引っ込む
セキュリティーの服装の男が又やって来た

両手を拡げて「メインディッシュ?」と聞く

一言「ラマダン!」

誰も二度と出てこなかった


クルドはもっとも厳格なイスラム教徒だと言われていたけれど、、、、

お陰で休肝日が作れました


だけど
眠れない夜でした




9月4日ウルファ→ガジアンシップ→イスタンブール イスタンブール泊

続く



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