ゲストNO, 9463

<2003年8月8日更新>
在宅介護そして



yahooBBのモデム故障によりアップデートが遅れました。

 

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車椅子付の介護タクシーで帰宅。

いよいよ家族による在宅介護の始まりです。

久々の我が家への帰宅ですので、玄関から帰りたかったのですが
車椅子の移動を門からの飛び石に阻まれてしまい
庭から入る事にしました。
いつもの午前中の様に眠そうにボーとしていたのですが
迎えに出た母を見つけた父が
子供のような声で「アッ ババだ ババだ」と身を乗り出した時は
退院して、帰ってきて良かったと思いました。

ベランダから、車椅子のまま居間に入りました。
介護タクシーの乗務員さんが20センチ位の段差も難なく乗り越えてくれました。
こんな簡単にベットから出入りできるのであれば
入院前にも介護タクシーを使って外出させておけばと思いました。


応接セットを退かして、一番景色の良い居間にベットを置きました。
ここであれば、
野鳥や飼犬がいつも来て少しでも刺激になると考えたからです。
我が家の庭を見て立派なお庭だね
環境の違いを直ぐには理解できなかった様です。


落ち着く暇もなく、予定されたスケジュールに従い
ケアマネージャー、ヘルパーの来訪が始まりました。
以前に来てくれていたヘルパーさん達でしたが
今度は、以前と全く違う寝たきり状況
交代で来てくれる一人一人の方に、
状況説明や新たに導入したリフト等の使用説明をしました。
明日から、円滑なサービスを受けるには大切な事です。
でも、結構大変でした。


初めての訪問看護師さんも来てくれ、一安心。
もっと早くこの環境を作っておけばと反省です。
医者の指示が無いと訪問看護は受けられない。
指示してくれる医者の往診が簡単には受けられない。
足腰が弱くなってからでは簡単には通院できない。
素晴らしい制度です。


親父の相手をするというよりは
介護の方々への対応ばかりしていたという一日でした。
「人に頼むのが面倒で嫌だ」というご老人達の気持ちが良くわかりました。
しかし、長期戦を考えたら、早めに状況共有は大切。


夕食は刺身2切れだけでしたが食べてくれました。
先ずは、順調な滑り出しです。
親父宅への泊り込み介護第一夜は、1回トイレで起こされただけでした。

午前6時頃起床。
ジュースを飲み、朝はうどんが食べたいとのこと
たった2本ですが、うどんと卵を食べました。
彩りに添えたつもりのサクランボを2つも食べました。


明日からの長期戦に備える為に、出社し仕事を一段落させて帰宅。
夕食を食べていると隣宅の母親から「直ぐ来てくれ」との電話。
既に呼吸も心臓も止まっていました。
電話をした医者の指示に従い救急車で退院したばかりの病院に搬送し、
医者により正式に死亡が確認されました。



医者には、体力的には1歩1歩確実に
寿命に近づきつつあるとは言われていたのですが
まさかこんなに早く、
そして何の前兆もなく、
静かに眠るように死んでしまうとは思いませんでした。


家族が介護倒れすることなく
万全の準備をして長期在宅介護に臨もうとしていたのが
1泊2日、33時間の在宅介護のあっけない幕切れでした。
こんなに短いのだったら、
会社なんかに行かず、
もっとそばに居てやれば良かったと後悔しました。



遺体搬送する為に、葬儀社はお決めですか?


病院での看護婦さんからの
この一言が
在宅介護から葬儀準備への大転換の一瞬でした。
何の準備も、考える事もあえてしていなかった事態の発生でした。


在宅介護の為に準備した連休が、
葬儀の為の連休になってしまいました。


つづく

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